WHOが推奨する一日の糖類摂取量の目安から幼児期の食育について考える

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はじめに

WHO(世界保健機構)から2015年にガイドラインとして糖類の推奨摂取量が示されています。
1日の摂取量の推奨 25g

A new WHO guideline recommends adults and children reduce their daily intake of free sugars to less than 10% of their total energy intake. A further reduction to below 5% or roughly 25 grams (6 teaspoons) per day would provide additional health benefits.

WHO HP
https://www.who.int/news/item/04-03-2015-who-calls-on-countries-to-reduce-sugars-intake-among-adults-and-children

子どもにこのガイドラインをどう伝えるかについて考えてみました。私の結論から言うと、
①美味しく楽しく食べるようにする
②親が子供の食生活について気を配る
③子どもが興味を持てるように一緒に学ぶ
というのが幼児期においてはとても重要なのかなと思いました。(保育園のお便りにも同じようなことが書いてあるので重要性を再認識)
「学ぶ」と言うのは最後に来ると思います。まずは親がある程度コントロールしていかなければいけないと思います。

RitaEによるPixabayからの画像

ただ、この25gという糖類の量は、オレンジジュースコップ1杯分になるため、オレンジジュースプラス何かを食べると取り過ぎということになってしまいます。(清涼飲料水ペットボトル500mlなら1本でオーバー)

このガイドラインには関係各所から批判もあったそうですが、特に撤回はされておりません。
ただ普通の人の実際の糖類の摂取量はそれ以上だと思いますし、あくまで目安という程度に捉えておいたほうが良いかと思います。

WHOの言うfree sugarsとは何か

ちなみに調べる際に、勉強がてら原文に当たってみました。糖類と書いていますが、実際はfree sugarsの摂取量となっていました。
初めは単純な砂糖の量かと思っていましたが、どうもそうではないようです。

sugarsと数えられる名詞になっていることから糖類を表すようです。(free sugarsは遊離糖類と翻訳されています。)

ちなみに上記WHOのサイトにfree sugarsの定義も書いてあったので載せておきます。

Free sugars refer to monosaccharides (such as glucose, fructose) and disaccharides (such as sucrose or table sugar) added to foods and drinks by the manufacturer, cook or consumer, and sugars naturally present in honey, syrups, fruit juices and fruit juice concentrates.

WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children

主に単糖類といわれるブドウ糖や果糖、ニ糖類のショ糖(砂糖の主成分)や砂糖(グラニュー糖)で、その他に製造(調理)工程で添加される飲料や菓子類、加えてハチミツ、シロップ、(濃縮)フルーツジュースに自然に含まれている糖などです。

そのため、多糖類にあたるコメなどの炭水化物や野菜類のでんぷんなどは、ここで言うfree sugarsにはあたらず、そこからの摂取分などは考えなくていいみたいです。

ちなみにもう少し原文を読むとフレッシュフルーツや野菜、牛乳に含まれる糖類はガイドラインでは言及されていません、とあります。多糖類だからでしょうか?しかし、フルーツジュースに含まれている糖類はfree sugarsだと書いてあるように思うのでちょっと引っかかってます。(間違っていたらごめんなさいm(_ _;)m)

The WHO guideline does not refer to the sugars in fresh fruits and vegetables, and sugars naturally present in milk, because there is no reported evidence of adverse effects of consuming these sugars.

WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children

炭水化物、糖質、糖類の関係

そこで栄養学上から炭水化物や糖質などの英訳をまとめたサイトを参考に、炭水化物と糖質、糖類などを整理しました。

炭水化物(carbohydrates)糖質糖類(sugars)単糖類:①(monosaccharides)
二糖類:②(disaccharides)
オリゴ糖:③(oligosaccharides)
多糖類:④(polysaccharides)
糖アルコール:⑤(sugar alcohols)
食物繊維(fiber)


※なお、糖質もcarbohydratesと訳すことが多いそうです
例)
①ブドウ糖(glucose)、果糖(fructose)
②ショ糖(sucrose)、乳糖(lactose)
③フラクトオリゴ糖(Fructo-Oligosaccharide)

④でんぷん(starches)
⑤キシリトール(xylitol)

※オリゴ糖は二糖類を含む少糖類の事のようですが、最近の栄養学上では区別されることの方が多いようです。

炭水化物・食物繊維・糖質・糖類のイメージ図

普段の食事の糖類の量を考えてみた結果

ここまで確認して、実際の生活に当てはめるため、最近の子どもたちのおやつについて考えてみました。

ある日の子どものおやつ(休日)

おにぎりせんべい2枚入り
 炭水化物6.5g
野菜ジュース100ml
 炭水化物8.1g(糖質7.7g(糖類6.5g))

おにぎりせんべいは糖類(糖質も)の量が記載されていないため、炭水化物量になっています。それを除いた子供用の小さいサイズの野菜ジュースは糖類6.5g、一日の摂取量の約1/4分です。

子どもにとっても比較的少量のおやつだと思ったのですが、それでもこれだけの量の糖類を摂取していることを考えるとかなり厳しめな基準だと思います。

ある日の朝食

次に比較的私もよく食べている朝食です。
・食パン(6枚切り)
  超熟 炭水化物30.3g
・牛乳(300ml)
  糖質14.2g
・ヨーグルト(100g)
  糖質4.9g
・バナナ(1/4)
  糖質5.1g
・キウイフルーツ(1/2)
  糖質4.8g
合計 糖質約56g

成分表示上は炭水化物か糖質しかありませんでしたので、糖質の量を把握することとしました。食パンは9割が糖質であると仮定して、約56gの糖質としました。

小腹が空いた夕方等に食べる軽食

次に夕食前にこそっと食べたりするフルグラを見てみました。
フルグラを牛乳200mlをかけて食べた場合(1食50g)
炭水化物46.0g(糖質41.5)
※晩ごはん前なのでこの半分くらいだと思いますが、成分表示の量から拾いました。

これも糖質量でしか把握できませんでした。

調べた結果、糖類の量はわからない事が判明!!

成分表示では、ほぼ糖質しか表示されていない(ここ重要!)ので先に分類した糖類と同じではない(糖質の一部が糖類)ため、糖類の摂取量がわかりませんでした。

そして、でんぷんなどの多糖類は糖類に含まれないので糖質のうちどれだけがWHOが示している対象の糖分なのか不明なので、ぱっと計算する事が困難です。

また、糖質の量についてはWHOも言及していないので、結果としてWHOの言う糖類の摂取量を控えるのは今の成分表示から考えると難しいと言うことがわかりました。

子どもへどうやって伝えるか考えてみた

WHOが言及していると思われる糖類の詳細を間違いなく子どもに伝えるのは困難です。そこで、子どもに言うときは甘いもの(砂糖)の量は控えようね、という普通のアプローチで間違いはないと思います。
糖類の摂取量が増えると、肥満になるし、糖尿病、虫歯の原因になる(という研究報告がある)という至極当たり前のことをガイドラインも言っています。(それが大人の場合、約25g)

そもそも、昔から糖類が注意するべきものであることは言われていたし、あとはこのガイドラインに沿って成分表示などが改善され、簡単に摂取量が分かるようになれば良いのでしょうが、それにはまだまだ多くのハードルがあることでしょう。

これを子ども達にどうやって伝えて行くかはとても難しいです。
そもそも栄養学か健康に興味がないとなかなか伝えても身にならない類のものだと思います。私も学生時代に表面上は勉強していましたが、実生活においてそこまで具体的に考えたこともないし、栄養素の数字が出てきてもそこまで意識したことがありません。

そのため、冒頭に書いたような、楽しく食事をすることに力をいれ、栄養などは大人がコントロールするしかないのではないか、また、そのコントロールしている理由を問われた際に、きちんと理由を説明することができればよいのではないかと思います。

さいごに

通常の食事では、その他の栄養素もバランスよく含んでいると思うので、糖類の量だけでは評価をすることは出来ませんが、糖質に含まれる糖類の量について考えると糖質オフのものを食べるようにしてもよいのかなと思いました。

それくらいがWHOのガイドライン的にはちょうど良いのではないのだろうかと思うようになりました。(WHOはでんぷんなどの多糖類に含まれている糖類については対象にしていないし、糖質についても言及していないので単なる感覚です)

我が家は子供の食育については、ほぼ保育園に頼り切り(保育園の先生方、ありがとうございます!)なので、こうして親が学んで、子供と一緒に学びながら食生活について考えていければなぁと思います。現代人は基本的に食べ過ぎである、と思うので、子供の食に対する教育というのはとても重要であるのではないかとWHOのガイドラインから思いました。

ちなみにWHOのガイドラインは2020年に改定される予定とありましたが、2021年3月現在はまだ改定されておりません。