肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)を治す(その3ーストレッチ・トレーング)

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 肩関節周辺の骨・筋肉についてある程度理解を深めた上で、病院でのリハビリを経て考えると、リハビリの内容もある程度理解できます。予防もかねて必要なストレッチやトレーニングをご紹介します。

あったら便利なアイテム

ストレッチやトレーニングをするにあたって、あった方が良いもの。

  • ストレッチバンド
    ヨガなどで利用したりするゴムのバンド。病院のリハビリで使って、そんなに高くないので、必要かなと思って購入したもの。インナーマッスルを鍛えるためには、弱い力で動かす必要があります。ローテーターカフのインナーマッスルを鍛えるために、肩関節の外転や内転をする時に利用しました。
  • ヨガマット
    うちにはありませんがストレッチや筋トレをする際にあった方が良いと思います。ちなみに私は子供のトランポリン用に買った、ジョイント式のトレーニングマットを有効利用しています。
  • フォームローラー
    商品名としてはストレッチポールなど。名称はともかく、同様のものを肩甲骨をほぐすために購入し、かなり楽になりました。使いこなせばもっと有用なもののように思いますが、そこまでうまく使いこなせていません。

初期のストレッチ・トレーニング

 最初は痛くてあまり動かせないため、痛みが出ない範囲でやるのが基本です。病院によるリハビリを受け、それを自宅でも+αを考えながらちょっとづつで問題ないと思います。内容は、前屈などの体幹のストレッチ、また、肩甲骨や肩周りがかったまっており可動域が狭いため、そのあたりのストレッチと弱っていると思われる筋肉のトレーニングです。

基本のストレッチ

 身体がかたい(柔軟性に欠ける)ことが四十肩につながるとは、リハビリを開始するまで、意識していませんでした。自身が柔軟性に欠けることは重々承知でしたが、肩甲骨のストレッチだけでなく、前屈と後屈など、体幹にかかわる柔軟性も影響してくるということを知り、全身のバランスの重要性を再認識しました。骨盤がずれているとも言われたため、左右のバランスも意識して行います。

基本のストレッチとしては、先に挙げた前屈・後屈ですが、私の場合は前屈の方が明らかに固かったので前屈のみでした。あとはヨガなどでもやる手を床について背中を丸くする猫のポーズや背中をそらす牛のポーズなども肩甲骨のストレッチになります。気持ち良いくらいの伸びが良いと思います。

プランク

体幹を鍛えるためにプランクを行います。プランクにも色々と種類があるので、自分の状態に応じて種類を変えていくのがいいと思います。私の場合は最初は30秒くらいから徐々に時間を増やして1分×2セット、その後はサイドプランクを行いました。

中期のストレッチ・トレーニング

大分可動域が増えてきたら、今度は痛みの状態を見ながら肩甲骨周りのストレッチ・トレーニングを行います。

肩甲骨のストレッチ

肩甲骨のストレッチについては主にストレッチポールで行いました。肩甲骨がごりごりと動くのが気持ちよく、若干痛いくらいでほぐれている感がありました。ストレッチポールについては治ったとしても継続して色々なストレッチに利用できると思います。ただ、子供に遊ばれるのと、収納に場所を取るのが難点です。

ローテーターカフのトレーニング

理学療法士から教えてもらったのは両腕を横に伸ばして小さくぐるぐる回すトレーニングです。最初は小さくてもOKで、段々可動域が大きくなってくると大きく回せるようになるでしょ、とのことでした。

その他には、チューブを使ったトレーニングです。どこの筋肉が弱っているかを意識しながらトレーニングを行うため、1st・2nd・3rdポジションで外旋、内旋を行います。

足でチューブを踏みながら、ゆっくりとチューブの抵抗を感じながら行います。制限があるところの場合は、肩がゴリゴリなったりしますが痛みが出ないのであれば問題はないと思います。

後期のストレッチ・トレーニング

後期は、かなり可動域が広がって、日常生活にはほぼ支障はない程度にまで回復した後ですが、それでは満足できない場合、ターゲットを絞ってストレッチ・トレーニングを行います。この時期になると痛みの出る範囲・動作などは明確なので、どこが固まっているなどある程度自分でわかってくると思います。

私の場合は、肩甲骨の奥側が凝っていること、そして手を真上に上げた後に開く(肩甲骨が上方回旋+内転している)と痛みが出ることから、主にそこに作用する前鋸筋・菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)などをほぐし、鍛えることで改善をめざしました。

肩甲骨まわりのストレッチ

肩甲骨まわりのストレッチでは、手のひらを上に向けて水平に仕立てを後ろに持っていくストレッチが菱形筋をよく刺激して気持ち良いと思います。また、肘をつけてその手を上に上げるストレッチは初期からずっとやっていたもので、これらのストレッチは初期からできる限り続けたほうが良いと思います。

菱形筋・前鋸筋・僧帽筋のトレーニング

以下は主に菱形筋をメインにしていますが、足上げプランクやサイドプランクなどを入れると、前鋸筋などもトレーニングできます。

さいごに

ストレッチやトレーニングを継続する、というのはなかなか難しいです。最初は2、3分のストレッチでも、やっているうちにあれもこれもやった方がいい、やらないといけないように思えてきて、段々ストレッチやトレーニングに費やす時間が増えてきます。

そこで最後にモチベーションを維持するコツをご紹介します。

  • ストレッチ、トレーニングする部位を2〜3週間くらいで変える
    飽きないようにするのが重要です。一気に全部と欲張るとできなくなるので、少しずつローテーションで行う。
  • 時間はできるだけ短くする
    長い時間を確保しようとしてできなくなった場合、再開が難しくなるので短時間で終わるくらいのレベルに留める。

肩関節周囲炎はレベルにもよりますが、時間が経てば治る(1〜2年程度)と言われています。しかし、勝手になおる可能性もありますが、可動域の制限がでたりすることは十分考えられるため、これから先、健康な生活を送ることを考えると、ここで上げたようなストレッチやトレーニングはやっておくことをおすすめします。