以前、電子ピアノを録音するためにxubuntuにardourをインストールして録音していました。
以下、過去記事



ただ、そこからはxubuntuのバージョンアップを経て、Ardourもバージョンアップしていました。そして、3年目の振り返りにと久々に録音しようかと思ったらやり方を忘れて出来なくてハマりました。
状況
- 何となくの記憶で録音してみたものの、確認のため、ノートPCから音を出そうとすると、出ない。
- 電子ピアノへアウトプットすると、きちんと電子ピアノから音が鳴る。ということは、MIDIデータは返っているのできちんと録音できていると判断。
- しかし、exportしようと音がない状態でエクスポートされる。
バージョンアップをした影響なのかと勝手に思いこんで、あれやこれや色々変更し、訳がわからなくなりました。
悩んだポイント
- 普通の音楽ファイルは音が出るのにArdourからは音が出ない。
もしかして、Ardourの音声出力は特殊で、ノートPC(2010年モデルのAcer)に付属するオーディオデバイスが古いからArdourから上手く伝わっていない?
という勘違いから、ALSAやPulseAudio周りを怪しんで色々調べては再インストールや設定変更等していました。
デバイスが古いからか等、推測しながらカーネルバージョンを変えようとしたり(エラーで失敗)、Ardourのバージョンの問題かと別バージョンをインストールしたり(snap版は最新だが、VSTの扱いが特殊でWineの使用はできないかも)、ビルドしようとしたり迷走しました。
最終的にはOSまで入れ替えました。
最終的な構成
最終的に再現性を高くするため、以下構成になりました。
ソフト | バージョン | 備考 |
Linux mint | 22.1(xia) | cinamon |
Ardour | 8.4.0 | ソフトウェアマネージャーでインストール(deb版)(DAW) |
Wine | Wine 9.0 | ソフトウェアマネージャーでインストール(deb版)(Windows版VSTインストール環境) |
yabridge | 5.1.1 | WineでインストールしたVSTとDAWの橋渡し |
VSTはNEO PIANO(PIANO ONE)です。Wineに32bit版をインストールしました(VSTv2)(32bit・64bit版のどちらがどう違うのか、対応しているのかなど詳細は難しそうなのでわかりません。今はとりあえず動作する、といったレベルです)
録音手順
結論としては恐らくプラグインの設定と言うとても単純な話だったのですが、ハマった時間は延べ10時間以上なので、忘れないように録音の一連の作業を記録しておきます。
事前準備
- Ardourにプラグインの追加
セッションを作成した後、ウインドウ→プラグインマネージャより設定します。

NEO PIANOの場合、VST2形式のプラグインを格納しておくディレクトリへのパスをLinux VST2 PathからAddで追加します。(/home/<ユーザ名>/.vst)

前回記事参考
- 電子ピアノとノートPCを接続
手順
- Ardourを起動

- 空のテンプレートでセッションを作成


- トラックを追加
トラック→トラック/バス/VCAを追加(ショートカットで「Shift+Ctrl+N」)からMIDIトラックを追加し、追加する際のプラグインを、NEO PIANOにする



- 録音モードにする。
新しく追加されたトラック上で、赤丸ボタンを押すと録音モードとなる。
また、左のところにあるプラグインが表示されているところをダブルクリックしてプラグインを表示させる。

- NeoPianoプラグインの設定
真ん中の赤枠の部分(No instrument loaded)をクリックしてinsファイルを読み込みます。insファイルが音源ファイルなので、無いと動きません。


トランスポート→録音を開始で録音(Shift+Spaceで開始)し、開始/停止(Spaceで終了)で終了します。
※失敗した場合は、キャプチャを削除します。(停止してキャプチャを破棄(Ctrl+Space)や編集→最後のキャプチャを削除)

正しくプラグインが設定されており、インプット、アウトプットが繋がっていれば音を鳴らしたときに、下記のように赤枠のバーがあがります。

ようやく録音ができるようになり、長女の発表会の曲(発表会1か月ほど前)に録音したもの。
もう少し発展したらオーディオインターフェースなど使う日がくるのかどうか。子供たちがやりたくなったら考えてもいいかもしれませんね。